中堅看護師とは、ベナーの定義によると「約3〜5年間の臨床経験があり、複数の患者を患者に起きていることを認識しその優先度を明らかにしながらケアできる」看護師のことを指しています。
施設によって異なるようですが、おおよそ5年目の看護師をイメージします。
1年目を乗り越えて、一通り仕事ができるようになった頃ですね。
辛い1年目が終わり、現場にも慣れて様々な仕事を任されてくることが多くなってきますね。
せっかく1年目を乗り越えたのに。
やることが多くて辛くなりますよね。
他にも先輩と後輩の板挟みとなり、人間関係に疲弊してしまう人も。
また、中堅看護師は今後のキャリアで悩む人も多いと思います。
この記事では中堅看護師の辛いを乗り切るコツを紹介します。
\今回の記事はこういった方に向けて書いています/
- 中堅と呼ばれるようになった
- 人間関係で悩む
- やりがいを探してる
- キャリアに悩む
- アラサー中堅看護師
- 医療事務から看護師。急性期病棟で奮闘中。
- 看護師・中堅看護師の辛さやキャリア、働き方、様々な悩みについて発信
- 夫と二人暮らし
ゆり / アラサー看護師
中堅看護師の「辛い」の原因は?
1. 役割が増える
経験年数が3〜5年になってくると様々な業務を担うことになります。
病棟を例に挙げてみると、下記のような仕事が増えてきます。
- プリセプター
- 委員会
- 看護研究
- 係などの業務
- リーダー業務
どんどん仕事が増えてく…。
一通り業務ができるようになったからといって、こんなにやることが増えたら定時ではとても帰れません。
できたら業務内にやってしまいたいところですが、中々難しいのが現実…。
特にリーダー業務は、チーム全体の状況を把握し、全体を取りまとめる役割を担います。体力的には楽に思われるかもしれませんが、非常に難しい業務だと思っています。
病棟患者全体とその日のメンバーの力量を把握し、患者が安全に過ごせてメンバーが業務時間内に終わるよう調整。医師の指示受け・指示出しでは優先順位を考えながら処理し、必死に医師を捕まえます。
日々の業務割り振りでは、メンバーの特性を理解した上で業務量の調整をします。メンバーが手一杯だったり、困っていたら声を掛けるなど、アンテナを広く張っている必要があります。
また、メンバーからたくさん報連相が来るので、私は聖徳太子になって同時に聞き分けられるようになりたい!と日々思うくらいです。
2.先輩、後輩との人間関係
中堅になってくると先輩と後輩との関係ができます。
仕事をする上で良好な関係を築けた方が仕事上のコミュニケーションも円滑にいくと思いますが、中々そうはいかないのが現実…。
多くの人が苦手な先輩やお局さま、後輩がいるのではないでしょうか?
私も苦手な人、実はいます…。
先輩からの圧力や後輩からの嘆きや愚痴の間に挟まれてしまうのが、そう、中堅看護師です。
3.やりがいを見失う キャリアに悩む
臨床現場で中心的な役割を期待される中堅看護師は、キャリアとライフサイクルの両方が発達してくる時期です。
このままでいいのかな?
また、自分がやりたかった看護を見失ってしまう人が多い印象です。かくいう私もそうでした。
理想の看護が明確な人は実際が大きく異なり、やりたいことができないとストレスを感じたりする原因となります。
- やりたい看護がわからなくなる
- 自分の将来のキャリア形成に悩みや不安がある
- 希望していない異動でやりがいを見出せない
自分がやりたかった看護は何か、考えてみましょう。
4.ライフステージの変化
専門学校や大学を出て、3〜5年経つと結婚や女性は出産育児のライフイベントが出てきます。
中堅看護師の役割や仕事の負担が増した状況に、ライフイベントが重なることでこれまで調整できていたワークライフバランスが崩れます。
例えば、結婚して家事をしなければならないが残業続きで家のことができない!女性ならば、妊娠して夜勤がきつい。保育園のお迎えがあるので残業はできない。など様々な問題が出てきます。
女性が多い職場なので、妊娠出産で職場を
離れる人もいました。
看護師でありますが、私たちは生活者でもあります。ライフステージの変化に伴って仕事の仕方も変えていく必要があることも。
そのため今までこなしていた業務が難しくなり、周囲へ迷惑をかけていないか気にするようになり、それが気づかないうちにストレスとなる可能性があります。
中堅看護師の辛い!を乗り切るコツ
1.業務を整理してみる
委員会や係業務、看護研究やプリセプターなど、まず自分が抱える仕事を整理してみましょう。
その中で、日常業務の中に組み込んでできない仕事をピックアップします。
できない業務を明らかにし、それを遂行するにかける時間と業務量を考えます。
看護師の日常業務は多忙です。残業代が出ない病院もあるのかもしれませんが、これらも立派な仕事ですので残業しなければならない時や、キャパオーバーになる前に上司に相談しましょう。
2.先輩と後輩の中立の立場でいる
多くのスタッフがいる職場では、陰口や批評が全くない!という職場は少ないのではないでしょうか?
陰口を話されても、相手に同意をするわけではなく相槌にして受け流してみましょう。
自分のコミュニケーションのクセを知ることも有用です。ただ、自分では気づくことも難しいので信頼できる人に聞いたり、客観的に自分のコミュニケーション力を振り返ってみることもオススメです。
コミュニケーションエラーによるインシデントを防ぐことにもつながります。
3.辛さは言葉にして表出する
多忙な日々でつい自分のことが後回しになると、メンタルが疲弊してしまいます。
下記に当てはまる人は要注意。最近疲れていませんか?
- 集中力・判断力が落ちる
- ちょっとしたミスが増える
- ひとりでいる時間が増える
- やる気が出てこない
- 感情の起伏が激しくなる
自分の体調不良に気づかないとイエローサイン。多大なストレスは健康状態に影響を及ぼします。
そんな時は、誰かに辛い気持ちを表出しましょう。
誰かが近くにいなくても、紙に書き出したり言語化してみましょう。ネガティブな感情を言語化すると気持ちが落ち着きます。
これを心理学の用語で「感情のラベリング」といい、今の自分自身が感じていることを言語化して表現することでストレスを緩和したり、ストレスの耐性を高めたりする効果があるとされています。
体調不良に気づいた時は、勇気を出して休みましょう。
4.キャリアプランを立ててみる
ある程度経験を積んでくると、未来の自分が気になり出します。
自分のやりたかった看護と現場が異なっていたり、キャリアに悩んだり、これから何を目指して頑張ったら良いか目標を見失うことがあります。
私自身、今後のキャリアに悩み、看護師を志したときに思い描いていた自分のやりたい看護を見失っていました。
そんな時キャリアプランを立てた時、自分がやりたかった看護が見え、現在専門士の資格取得の為に勉強しています。
キャリアプランの立て方がわからない方はまず振り返ってみましょう。
- 経験と経歴を振り返ってみる
- 理想の看護師像やどんな看護師になりたかったかを振り返る
- 理想の働き方をイメージする
- 看護師として様々な働き方があることを知るため情報収集する
専門分野に関わる資格取得や、やりたい分野への異動や転職。企業への挑戦や役職につくなど様々な選択ができます。今は様々な働き方ができる時代です。
自分らしく働けるようこれからの自分を考えてみましょう。
キャリアプランを立てた方が目標が持て、モチベーションが上がることにつながります。また、専門性を身に付けると転職にも有利になり、資格や専門性によっては給料が上がることもあります。また、理想の看護師が明確になりそれに近づけるように努力することで充実感も得られます。
看護師は肉体労働もあり対人関係の仕事のため精神的にも疲弊します。しかし、看護師の働き方は様々です。これからの働き方を考えて楽しく看護師していきましょう。
まとめ
中堅看護師になると様々な辛さが出てきますよね。
業務のことや人間関係、やりがいキャリアなど悩むことも多いと思います。
辛さや悩みを明確にして辛さを乗り切りましょう。
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